産まれて初めて仔犬を抱いた日

日常

2019年のGWが終わった頃だったでしょうか。一通のメールが届きました。
それを見た私の心臓は喜びでバクバクと高鳴ったのを覚えています。

遡ること五ヶ月。
2019/1/1 正月のめでたき日に、友人がめでたい日を迎えていました。
赤柴の子犬を迎えたというのです。
写真を見せてもらうと、それはそれはムチムチころころ手足はしっかりしていてお腹はぽんぽこりんでなんと愛らしいこと!

ね? ヤバい可愛さでしょ。
どちたのまゆげww

友人はその子の名前で悩んでいて(文豪が好きなので)確か、夏目(漱石)か(佐藤)春夫のどっちが良いかと問われた気がします。その子はなんとなく春夫って感じがしたので(新春だし)春夫じゃない?と。その後親族会議を経て無事春夫になったそうです(笑)
その日から毎日LINEで送られてくる写真を心待ちにすることとなりました。
だってハルと猫ちゃん達が、めっちゃ可愛い!
友人宅には十数歳になる8匹の大先輩猫ちゃんが居ました。その子達に子犬がちゃんとなじめるのか? あっ、世話焼きな先住猫が添い寝しに行ったぞすごい! 焼き餅焼きな猫とは今のところ折り合いが悪いけど、何とか群れとして迎えてくれそうだね~。なんて友人と話し合ってました。子犬と猫の仲睦まじい様子がネット記事にもなりました。
その子の天真爛漫さと愛くるしさにノックアウトされ続けていた私は、二ヶ月が経った頃に「自分も柴犬を飼いたい」と切望するようになっていました。
まあ容姿がね、好みドンピシャなんですよね柴犬。

正直言うと、その頃まで犬にあまり興味がありませんでした。
私はマイペースで予定を崩されるのを嫌うという自己中なところがあるので、鳥や猫のほうが向いている気がしていたのですね。
もちろん鳥や猫にも甘えん坊さんは居るので、そこはその個体の個性なのですが、犬は「遊んで構って私を見て!」と自己主張が強そうでなんとなく敬遠していたのです。(主張が控えめな(?)ハムスターや小鳥、金魚は飼った事があった)
それにうちの両親は、動物は汚すし臭うからか好きではなく、幼い頃から何かを飼いたいと言っても却下され続け(そもそも団地だったから小動物しか無理)成人して独立してからやっと小鳥を飼ったりベランダで鉢植えガーデニングを始める事が出来ました。
そしてものを育てる事とデザインすることが好きなので、思い切って自分で家を建てて庭造りを初め、ハルオにノックアウトされた今では「自分の家なんだから犬飼うくらい許されてもいいんじゃない?」と同居再開していた母と妹を説得というか強引に話を押し進め、犬を迎える運びとなったのでした。

そう、冒頭のメールとは、豆柴のブリーダーさんからの子犬が生まれたよメールだったのです。
産まれたのが2/23なので、もうじき三ヶ月になろうとする頃。
今は法律上、一度会わないと販売出来ないので遠距離ですがどうしますか? と問われましたが、勿論参ります! とお返事しました。もし気に入ればその場で連れて帰りたい旨も申し入れました。連れ帰る気満々でしたが(笑)
私は福岡県民。ブリーダーさんは関西。数百キロの距離でしたが海の一つや二つ何のその。

それからは子犬を迎えるための準備をバタバタと始めました。
こんなサイズのサークルとクレート(ハウスとして使い、成長しても使えるサイズ)が欲しい!ペットフードはブリーダーさんおすすめのこれ!と豆柴がどの程度の大きさになるかなんてさっぱり判らないのに平均値を出して想定し(笑)ネット注文して、とりあえず必要そうなものはその日に間に合わせました。
休日前夜に車をフェリーに積んでどんぶらこっこと参りまして、着岸したのは朝8:30。ブリーダーさんとの約束は14時。船が着いた場所の隣県になりますが、それでもだいぶ時間が余るなあとネットで商業施設などを検索し、花爛漫を満喫しつつ朝食をのんびり取って、ペットショップがあったので子犬の首輪とリードなどを購入し、一般道での移動となりました。

お花が綺麗でした

見知らぬ土地をナビに従って走り続けること2時間半。辿り着いたのはものすごい山の中(笑)
旅先で曲がる道を間違えて山中に迷い込んだようなアレ。
えっ、大丈夫ここ? めっちゃ道狭いけど使われてる道? 廃虚(工場?)あるけど……。
などと不安になりながら上っていき、ナビが勝手に案内を終了したあたりでジョギング中の一人の男性とすれ違って逆にたまげました。えっ、人が居る!? 的な。それがブリーダーさんだったのですが(笑)
車を止めて犬舎に連絡を入れると、先程の男性が迎え入れてくれました。
よかった、この廃工場じゃなかった。
さっそく部屋の中に入って、そこに居たのがうちに来る子犬ちゃんでした。
ちっちゃい! 黒い! 跳ねてる! ブリーダーさんが戻ってきたのが嬉しくて、ぴょんぴょん跳ねて近付いては逃げるみたいな動きを繰り返してます。かわいい!
ほら何してんの、おいで。ってブリーダーさんが逃げ回るその子を捕まえて、私の手の中にひょいと渡してくれました。
うわ、わ、子犬初めて抱く。
柔らかくて皮膚がぺったりしてて、ちんちんとお腹が手の平に貼り付いて、温かくて湿ってる()
その後犬舎の中に案内されて、他の成犬のサイズを見せてくれたり、子犬の体重を量ったり(1.7キロ)育て方や餌の量、気を付けることなど矢継ぎ早に色々教えてくれました。
マイクロチップは挿入済みなのでこの書類で登録をして下さい。ワクチンは次回はこの日くらい。おまけでフードとおもちゃと首輪とバンダナつけとくねって色々聞いて契約を済ませ、記念写真撮って、いよいよクレートに。
後部座席の床にクレートを大事に乗せて、お礼を言っていざ出発。
これが高速に乗ったあたりで吼えること吼えること……車の振動と音が怖かったんだろうなあ。でも高速だから止まることはできないし、振り返ってあやしも出来ない。ごめん、一時間半ほど頑張ってくれ。

そして港につきました。おしっこしたいかもしれないし、さっそく後部座席に移動してクレートを開いてみます。ん?入れてあった毛布になにやら茶色いものが! まさかうんちした!?
子犬が踏んだら大変だと慌てて子犬を引っ張り出し、毛布を引き出しますが、臭くない。フード? ああ……もしや鳴きすぎて吐いたんか……ごめんね……。
本人はけろっとしてますが、ほんとごめん。
具合悪かったらどうしようと座席の上にペットシーツを敷いて水とフードを置いて様子を見ますが、少し水を飲んだら辺りや私をふんふんしたり様子を窺ってます。

ああーなんて無垢なおめめなの!

多分元気そうだな? とほっとして写真撮ったりしていると、しばらく経った頃に腕に前足をかけて、ねえねえあなただれ?ってしてきてくれました! 可愛い!

いくつか持ってきたおもちゃを見せてみますが、疲れたようでシートの上にぺったり。
疲れたね。もうすぐ乗船始まるからねんねして。

1時間後くらいに乗船が始まりますが、この船は部屋に動物は連れ込めないのでペット用の部屋に預けます。銀色のケージがたくさん並んでて薄暗い。狭くて足洗い場みたいな水道があるだけの部屋。
子犬ちゃんの隣のケージに入っている子が人の気配を察知してギャン鳴きしだします。
こんな暗くて狭くてうるさいところで大丈夫かな……。
でも今回は他に連れ帰る手段が無いのでそうするしかありません。ケージに毛布とペットシーツを敷き、子犬を抱いてケージに入れると、くるりと回転してぺたりと伏せました。いいこだね。
水とフードを入れてペット部屋を後にしました。

次の日は月曜で出勤な上に時間が無いため、5時に起きて船室でメイクと食事を済ませます。迎えに行ける時間になると部屋に飛んで行き、ケージから連れ出してクレートに移しました。フードは空。毛布の上にうんちとおしっこがしてあります(笑)持参した袋に排泄物を入れて、AM6:30にようやく帰宅。
母と妹は早朝から出勤した後でしたので、家は無人でした。
ネット注文していたサークルが届いていたので開封し、組み立ててリビングに設置します。よし、君のおうちが出来たよ。

ここどこー

クレートのドアを開けると、おそるおそる出て来ますが、出た途端に部屋と廊下を走り回る。おお、元気元気。
朝食を用意してサークルに設置し、子犬を中へ入れました。初めての家で緊張しているかと思いきや「だせだせ~! キュンキュンアウアウ!」(次の瞬間おもむろに飯を食い出す子犬)

あむあむあむ

初日ですが母も午後まで仕事なので戻るまでは一人でお留守番です。良い子にしててね。

夕方、ダッシュで帰宅すると、ベッド脇にうんちをしてました。それを片付けてたら、遊んで遊んでとまとわりついて来たのでおもちゃでじゃらしてみますがあまり食いつかない。

じゃれる豆柴の子犬

からの、顎を手に乗せて撫でてってしてきます。なにこの子死ぬほど可愛い!!!

爛漫の春にやってきた我が家の宝物。
名前はもう決めてあります。
文豪が好きなので、貧しい人々のために戦った小林 多 喜 二さんから文字をいただきました。彼のように強く優しい男になりますように。
丸の字は武将の幼名と同じく、健康に育つように厄除けの意味を込めて。

そしてどうか君に、多くの喜びがありますように。

おはなたくさんだね

これからよろしくね。多喜丸。

みんなで一緒に花鳥風月を渡ろう。

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